日和崎尊夫の木口木版

「殖」1972年作 7.6×8.4㎝

とても小さな版画だ。

でも、密度があり、美しい。

スマホの某フリーマーケットで、日和崎尊夫の木口木版を見つけ、

お得な値段だったので、思わず購入してしまった。

うちの本棚には、日和崎尊夫の画集(カタログレゾネ)があるのだけれど、

実物の版画は、もちろん持っていなかった。

この版画、エディションがやたら多い。

なんでだろう?

2500分の1522。

手持ちの画集を見ると、同じ版画があり、説明文があるではないか!

それによると、カタログレゾネを作るとき、それに付けて

販売されたものらしい。

因みに、レゾネとは、一人の作家の全ての作品とそのデータを

網羅した、総目録のこと。

日本では、「全作品集」ということが多い。

それにしても、レゾネという言葉の響きは美しい。

フランス語なのですって・・・、やっぱり♪

カタログレゾネとは、「論理的思考にもとずいて編まれたカタログ」の意。

Raisonne’ とありますネ♪

ずっと前に、日和崎さんの個展で購入していたもの。

確か、鷹の台駅近くの本屋さん、地下の画廊だったか・・

もう無くなってしまったけれど、好きな画廊だった。

木口木版は、下のような刃物で、版を彫ってゆく。

ビュランという。

相当の熟練を要する技法だ。

昔挑戦してみたけれど、お手上げだった(笑)

レゾネに、日和崎さんの銅版が無いかと探してみた。

カラーの抽象や、このようなコンポジションの作品が数点あった。

深酒がたたり、50歳の若さでこの世を去った。