メゾチント(銅版画)の出てくる映画「ターン」

工房のメンバーOさんが、メゾチントが出てくる映画があると、

教えてくれたので、DVDをお借りしてさっそく観ることに・・

映画「ターン」は、北村薫のベストセラーの映画化。

主人公の真希(牧瀬理穂)は、小学校教師のお母さんと2人暮らし。

メゾチント制作をしながら、子供たちに絵を教えている。

絵画教室に向かう途中、交通事故にあう。

つぎの瞬間、彼女は自宅の居間に居た。

不思議なことが次々と・・・・

 

ストーリーがよく出来ていて、ハラハラドキドキしっぱなしでした。

この映画、たくさんの賞をもらっているのですね。

主人公も、清潔感があり好感が持て、メゾチントの目立てシーンや、

プレス機を回すシーン、画商さんとの掛け合いなどと、興味をそそられました。

そして孤独とメゾチント、イメージがぴったり!

よくぞまあ・・、センスを感じます。

でも無意識に、あら捜ししてしまう私(苦笑)

牧瀬理穂さんが目立てをするシーンは、ちょっと手に力が入りすぎじゃん?

などど思って観たりして・・。牧瀬さん、ごめんなさいです。(笑)

でも、感じ良かったです。

これは、DVDの中のパンフに載っていて、映画の中にも出てくる植物のメゾチント。

誰の作なのか気になり、最後のキャストの字幕で調べてみることに・・

そうしたら、なんと私と同じ版画協会で、戸嶋由香(とじまよしか)という方でした。

名前が由香だったので、女性だと勘違いしてました。

男性だったのですね!

これは、目立てをするための、ベルソー(ロッカー)です。

銅版を、ベルソーで黒く目立てた後、

これらのバニッシャーやスクレーパーで、

グレートーンを作ってゆきます。

メゾチントでしか表せない質感の、無限の諧調のグレー・・・・・

魅了されます。

 

これは大分前、2003年に高尾が作ったメゾチントです。

題名は「未来へ」