廃墟画家、ピラネージの画集

世界版画史の本をながめていたら、気になる版画家がいたので

もっと作品を知りたくなりました。

 

それで、通販で中古の安い画集を手に入れたのだけど、それがこの洋書。

(TASCHEN 編集社Cologne・ドイツ)

2000円にしては、内容が濃い。

 

ピラネージは、18世紀イタリアの版画家。

石工の息子として生まれ、建築家の叔父のもとで透視図法と舞台装飾を学んだのだそう。

建築家を自称していたそうだけど、実現した建物は僅かで、

実際は版画家、考古学者としての実績の方がはるかに大きい人だった。

廃墟画家とも呼ばれていました。

銅版画は1000点以上残したそうで、すごいですね・・

吹き出るように描いたのでしょう。

脱帽です。

これは、「牢獄」シリーズの中の一枚。

「牢獄」は、16パターンの図柄があります。

実際に、牢獄などを見たわけではなく、想像で描いたらしい・・

荒々しくも、伸び伸びした描線が魅力です。

細かいけど、神経質にならず、ガンガン気持ち良く描いている。

購入した画集には、沢山の銅版画の写真が載っていて、見ごたえたっぷり!

考古学者として、ローマの古い遺跡を調査研究していたピラネージ。

ただ冷静に見て描くだけではない、遺跡への愛着、尋常ではない執着というか、

思いの深さみたいなものが、版画のディテールあちらこちらに、表れていると思います。

 

当時は、廃墟ブームでもあったそうで、ピらネージュの版画は、

人気があったそうですよ。絵葉書も良く売れたそう。

最近も廃墟ブームで、写真集とか見かけますが、昔にもそういうブームあったのですね。

古い建物と同時に、人間や牛などの動物も描かれているものがあり、

人間味も感じられて、親しみがある。

朽ちてゆく建物と、植物の共存の様子も、切なくも美しい。

風化して、徐々に壊れゆく物の美といいますか・・

以前に、国立西洋美術館で展覧会が催されたようですが、

是非実物を、まとめて観たいものです。

生きている間に観れるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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