銅版画1日体験教室にお越しいただきました

今日は、はるばる久喜市から銅版画1日体験教室に来てくださいました。

お話を伺ううち、カラーがお好きとお見受けしたので、ブルーのインクを使っていただくことに♪
銅版画は初めてとのことで、1つ1つの作業を興味深そうにされていたのが印象的でした。
キリンをを檻の中ではなく、青空と海の見える場所にいる光景を作りたかったそう♪
インクを詰めた後、銅版に直にパステルで色を加えたりして
絵本っぽい感じに仕上げました。
摺った後も、透明水彩でキリンと女の子に手彩色し、
2時間半ぐらいで完成!
絵を久しぶりに描いたとのことで、とても新鮮な作業だったのではないでしょうか。

その方が、ステキな絵本を持参してくださいました。
「うさぎのくれたバレーシューズ」
この本と出合ったのは、子供の頃だったそうです。
その方は、特にこの絵本がお気に入りで、何度も開いては絵を眺めたりしていたそう・・
大人になって最近本屋でこの本を見つけ、購入しなおしたそうです。
読んでいたら、銅版画で描かれているものだということを、初めて知り、
たちまち、銅版画に興味を持ち始めた。
幼少の頃、なぜだか好きだった絵が、銅版画だったことに驚き、
自分もやってみたくなった。
そんな出会いもあるのですね!
お話を伺い、嬉しくなりました。
銅版画は敷居が高いように思われがちですが、絵本がそのハードルを下げて、
親しみやすいものにしてくれる。
素敵です!
絵本作家の方で、けっこう銅版画の手法を使われている方がいるのを知ってはいましたが、
一人の少女の心をつかんだ絵が、実は銅版画で描かれていたなんて・・・ロマンです!

何年やってもバレーが上達しない女の子が、ウサギのバレーシューズ職人さんに偶然出会って
シューズを作ってもらったら、俄然バレーが上達したというハッピーなおはなし
らしいです。

絵の具も安い絵の具だと発色も悪いけど、上等な絵の具だと発色もよく、
同じ描くのでも楽しくなります。
自分は笛を吹きますが、音痴な笛を頑張って練習しても上手くならないけど、
音程と音色のいい笛だと、吹いていて楽しいから、上達が早いです。
道具をケチってはいけません。
この絵本のストリーから、そんなことを考えました。

挿絵の銅版画はすべて、カラーエッチング。
パステルカラーで、ファンタジックな親しみやすい印象の絵柄です。
銅版画のデリケートな線の揺らぎ、そして大らかさ、
そんなことを感じながら、見せていただきました。

子供の頃は、体験が少ない分、何かに出会った時の感動が大きい。
幼少の頃に出会った本が、途中は忘れている時期があっても、
歳を重ねてなおその人にとって大切な1冊であり続ける。

宝物とはそういうものなのですね。