版画の発生初期は、オリジナル版画の署名や、
限定部数の表記という習慣はありませんでした。
レンブラントの銅版画を見ても、サインを画面内に書いているものはありますが、
今の形式のような、分数でエディションナンバーを表すことはなかったそうです。
そして近代に入り、署名とエディションナンバーは、版画コレクションとの関係で、
必要となり、版画の下の部分に記載されるようになりました。
鉛筆で、画面の左下余白に、分数の形で、分母に作品の総部数を、
分子に該当する番号を書きます。
画面下真ん中に、題名を、画面下右に、サインをします。
とはいっても、国によりサインの場所など、いろいろ違っていて、
一定ではありません。

エディションナンバーの代わりに、作家の保有分として、
版画の左下に、A.P.またはE.A.と書き入れることもあります。
刷った枚数の10~15パーセントを、追加して持っていてよい。
A.P.は英語のArtist`s Proofの略、
E.A.はフランス語の、Epreuve d`Artistの略です。
その他では・・・
H.C. (Hors de Cmmerce)・・・非売,献呈用
P.P.(Printer`s Proof)・・・刷り工房に渡される版画
T.P.(Trial Proof)・・・色合い等を変えたためし刷り
T.P.(traveller`s Proof) ・・・ 巡回展用
などが、あります。