写りがあまり良くないけれど、これはフォトエッチングで作った版だ。
このフォトエッチングを作る前、アナログ技法で、
少し大きめの長方形の銅版画をつくっていた。
それが気に入っていたのだけれど、もっと良い構図を思いついた。
その長方形の銅版画を切って、違った構図にしてみたら、良い感じだったので、
それをもとに、フォトショップでドット変換。
OHP用紙にコピーしたものを原稿に、
この銅版をつくったのだが、細かいところが気に入らなくて、
版を没にしてしまおうかと思ったけれど、なにか生かす手はないかと考えた。
たとえば、この版をセピア色のインクで摺り、
もう1版を、透明プラスチックの版でドライポイントで描き、
2版を重ねて摺ってはどうだろう?
これが、プラスチックの版だ。
プラスチックの版は、軟らかいので、ドライポイント技法では、数枚しか摺れない。
でも、なかなか便利で、先に作っていた銅版の上に重ねれば、ニードルで直接
輪郭線がなぞれるという利点がある。
2版重ね刷りで、和紙に摺ってみた。
フォトエッチングで作った版が再利用できて、良かったと思う。