メゾチントで絵本の挿絵を作るメンバー


メゾチントで絵本の挿絵を作っているKさん。
バニッシャーという、先が丸くなっている道具を使い、製版しています。

これは、Kさんが当工房にあるメゾチント原版製作機で目立てを施した銅板です。
このように、版に無数の線を刻み、版の表面ををザラザラにすることで、黒い画面を作ることができます。
機械がない場合は、べルソーという道具で、地道に手で線を刻むこともできます。

目立てを終えた漆黒の黒い画面から、バニッシャーやスクレーパーという道具を使い、白い調子を作ってゆく。
白で描くイメージです。表面を削ったりつぶしたりして、明暗を作ります。
塩化第二鉄や硝酸で腐蝕をしない技法で、直刻法といいます。

Kさんは、挿絵だけではなく、お話も作っていて、今回のは、自分の子供時代の体験をもとにされているのだそう♪


メゾチントは、刷りの時に雁皮紙を使うと、とてもきめが細かくなり、繊細でやわらかい調子が出せます。
メゾチントの肌を、ビロードのような・・と例えたりもします。

和紙の専門店に行けば、糊を使わなくて、最初から和紙の表面に雁皮が漉きこんである、重宝な紙を売っていて、
これは、なかなかの優れもの。
手間が省けて便利ですよ。