銅版画とは?

■銅版画の歴史

銅版画の起源は、15世紀の初め頃、

イタリアのフィレンツェなど、ルネッサンス文化の

中心地からだった。

ほぼ同時期、ドイツやオランダでも銅版画が制作

され始めた。

最初は、金属工芸から銅版画へと発展していった

という。

武具に施す装飾を印刷することから、

銅版画へと展開していったことは興味深い。

銅版を直接掘るエングレービング技法から始まり、

その後16世紀にはエッチング(腐蝕法)へと展開

していく。

エングレービングではドイツのアルブレヒト・デューラー、

エッチングではオランダのレンブラント

・ファン・レインが大きな功績を残した。

レンブラントは、油絵のほか、300点以上の

銅版画を作り、銅版画の歴史上、大きな役割を

果たした。

西欧で、初めて和紙に銅版画を刷った最初の人

でもある。

アルブレヒト・デューラー「メランコリア」

1514年

 

レンブラント・ファン・レイン「自画像」

1639年

 

その他、ルーカス・クラナーハ、ハンス・ホルバイン、

ピーテル・ブリューゲル、ヒエロニスム・ボス

なども、銅版画を多く残している。

そして、銅版画は複数生産ができるという特性から、

出版業と結びつき発展してゆくこととなる。

17~18世紀になると、さらに技法は多様化し、

多色刷りやアクワチント、メゾチントなどで版画が

作られるようになった。

18世紀末、石版印刷の技術が発明されると、

より量産しやすいリトグラフが盛んになってゆく。

さらに、時代とともに、写真技術がすすむにつれ、

19世紀末には、写真が版画にとって代わって

しまう。

その後20世紀以降は、美術の領域で、

版画の役割が大きくなってゆくこととなる。

 

版画の種類と銅版画のしくみ

版画には大きく分けて、凸版、凹版、平版、孔版と、拓刷りなどがある。

銅版画は、凹版である。

総称して、エッチングとも言われており、亜鉛版や鉄板を使う場合もある。

 

簡単にいえば、銅版に凹みを作り、そこにインクを詰めて、

それ以外の凸部分のインクは拭き取り、プレス機で刷るのである。
逆に、一般に馴染み深い木版は、凸部分のみにインクをのせて刷る技法だ。

銅版画技法には、直接技法と、薬品による腐蝕法がある。

□直接法・・・ドライポイント、メゾチント、エングレービング など
□腐蝕法・・・エッチング、アクワチントなど

 

銅版画・摺りの行程について

(1)版にインクを詰める

ウォーマーで版を温め、ゴムヘラやローラーで行う。

(2)インクの拭き取り

最初は寒冷紗で、次に、人絹や薄い紙を使用する。

プレートマークのインクもきれいに拭き取る。

(3)プレス機で刷る

ベッドプレートの上に版を置き、

予め湿らせていた版画 紙をのせ、刷る。

(4)完成

刷り上がったら、最後に水張りをして乾かす。