10年前に撮影した写真を使ったフォトポリマー版画

10年まえに、井の頭自然文化園のゾウ舎まえで撮った写真をもとに
フォトポリマー銅版画を作ってみました。
はな子と自分が写っている、数少ない写真のなかの一つ。
写真というものは、撮影したときはそんなに重要とは思わなくても、
時間が経って見返すと、
大切なものとそうではないものに分かれるものだと
気が付きました。
ちょっと、遅かったかな?

それは、芸術的価値とかではなく、あくまで私的に大事なもの
という意味で・・・

版はこんなふう・・・
紫外線で露光し、現像します。
その後、塩化第二鉄で腐食です。

露光時間を変えてもう一つ作ったのですが、それは上手くいかなかったです。
うまくできなくても、その版を利用して、改善することもできそうだと思いました。
でも今回は、しませんでした。
ちょっと、面倒だったから(笑)
面倒なことは、自分のライフワークテーマの銅版画でさんざんやっているので
この技法は、できれば超シンプルに作りたいのです。
今のところですけど・・・

この技法は、版の明暗の調子に最適な露光時間というものがあります。
研究の余地がいっぱいあり!
ダメになった版は、裏を使い再利用しようと思います。

ムサビ通信時代の写真製版の授業は選択だったので、取らなかったのですが、
他の人の講評を聴いていたとき、講師の人が、
「これなら、わざわざ版画にすることないじゃない?」
と言われているのが印象に残っています。

どうなのでしよう?
あくまで私の考えですが、芸術的な高さを目指していなければ
ふつうに、写真の延長でもいいと思っています。
だって、銅版画独特の質感は他では出せないので・・・
思い出の写真が、銅版画の腐食やインクの味わいで、
一味違ったものになるように感じています。