先週、メンバーさんが仕上げたばかりの銅版画です。
Oさん作。(作家名・瀧川虚至さん)
近々、グループ展に参加とのことです。
今回の作品作りを通して、どのインクを使うかで
印象がかなり違うことを経験されました。
実は、銅版画の黒インクは多くの種類があり、それぞれに特徴があるのです。
ふき取りやすいインク、油膜が多いインク、線に向いたインク、アクワチントに合うインクなど・・・
自分の作品作りに向いたインクが見つかるといいです。
先月入会されたS.Oさん。
一日体験で作っていたものをさらに描きこみ、完成度を高めました。
同じくS.Oさん作
この作品は、ドライポイントのみの技法で制作。
腐蝕をせず、銅版に直にキズをつけて描く方法です。
シンプルな技法ですが、線の表情を変えると面白い表現ができるのです。
これは、アンソニー・グリーン展の図録です。
古い物ですが、きっかけがあり見たくなって購入。
メンバーの一人が、入浴風景を俯瞰から見た絵柄の版画を制作しようとしていたことで、
この作家を思い出したのです。
アンソニーさんはユニークな画家さんです。
室内風景が多いのですが、
キャンバスも奇抜な形に変形させたり
魚眼レンズから見たような構図だったりと・・
色もカラフル♪
普通だったら見せたくないような、
ご自分と奥さんとのプライベートなこともを恥ずかし気なく描いておられる。
その境地・・・、ある意味スゴイ。
突き抜けていてうらやましくも思う。
作家は、自分自身のことを描いてゆくことに四苦八苦するのだけれど、
自分自身のことを描けているのか、
もう一度自分に問いかけてみようと思わせてくれる画家さんです。