2版でゾウはな子の小品を作ってみたい

井の頭のゾウはな子の生前に撮影した画像をながめていたら、
急に、はな子の版画を作りたくなった。
もうすぐ、はな子の命日だし、はな子の物語画集も来月完成してくる予定だ。

夏の日の、楽しそうなはな子を、自分は知っている。
はな子がものすごく喜んで、おもちゃを持参し、水場へ向かう姿が、あまりにも可愛らしくて・・♪
それは、宝の時間だった。
もういろいろ作ってきたのに、まだ作りたいものがあることに気が付いた。
これは版画にしておかねば!

というわけで、下絵を考えトレーシングペーペーに印刷。
トレぺの裏を、水性パステルで塗りつぶし、
あらかじめ表面を軽く腐食しておいた銅版に転写作業。
銅版に写った線を、ポスターカラーでなぞり、グランドを流し引きし、
熱湯をかけ、ポスタ-カラーの線を浮き上がらせる。
リフトグランドという手法で、最近はこの技法をよく使っている。

因みに、この絵は途中で気が変わって、反転するのをやめることにした。
急遽、完成図のはな子を右向きにしたくなったから。
学生時代、日本人の子供は、動物を左向きに描くことが多く、
西洋人は右向きが多いと習ったことがある。
わたしの場合も、顔を左向きに描くことが多かったので、
たまには右向きにしたかっただけ(笑)
自分にとって新鮮だからという理由。
こんなことは、版画を作っていて、たまにあることだ。

右の銅版は、リフトグランドを終わらせた版で、
左の版は色版にしようと思っている。
2枚重ねて楽しい雰囲気のカラーエッチングにしたい。