工房は、コロナ騒動のなか、完全には閉めてはいないのですが、
1部の方以外はほとんどいらっしゃっていません。
なので、とても暇でして・・・、
ということは、自身の制作と、フォトエッチングの試作、SNSやホームページの書き込み等
順調に進ませることができるチャンスととらえ、毎日地道にやっています。
何事も、プラスにとらえてゆきたいものです。
というわけで、今回は自分の制作プロセスを書いてみようと思います。
版画家は、そういう制作のプロセス・秘密みたいなのを知られるのを好まないひとも
多いように思うけれど、私はあまりこだわりません。
読んだ方の何かのヒントになれば良いのでは、という感じでいます。
教えてもらったことを、さらに自分なりの工夫を加えていったり、
展開させてもらえればよいのです。
前回ブログに書いた内容の続きです。
リフトグランドだけで描いた銅版にインクを詰めて摺りました。
描画して、初めての腐食です。
リフトグランドだけなので、ほかの技法はまだ使っていません。
黒い線は45分の腐食、グレーの線は7分
筆で描いた線なので、線の太さや強弱も、変化に富んでいて、最近のマイブーム♪
今回は、銅版に白のポスターカラーで描いたのですが、
描く前に、1分ぐらい、腐食液に銅板を浸けて、表面を荒らしておくと
ポスターカラーの線がはじきません。
はじかせたいのなら、その必要はないけれど、少し描きこみたいなら
荒らしたほうがよいです。
背景はディープエッチングでレリーフ状になるぐらい腐食してみようと
考え中♪
余談ですが、ディープエッチングを覚えると、1版多色版画なんかもできるし、
めちゃくちゃ版画の幅が広がり、楽しいですよ。
10年のあいだ、井の頭のゾウはな子を描いてきて、その流れから、
ある時、日本にはじめてゾウが来たのはいつなのかを知りたくなりました。
江戸時代に、何度かゾウが輸入されたのですが、将軍吉宗の時代のゾウについては
資料が残っていて、波乱万丈な生涯を送ったゾウがいたことがわかりました。
今は、そのゾウの生涯を銅版画で描き、伝え残せるようなものを作ってゆこうと
思っています。