一般論ではなく、自分にとっての銅版画の魅力とは?
と、問いかけてみました。
銅版画を始めたのは、実は遅くて、36歳の6月、ちょうど今の季節でした。
それ以前は、色々な素材を使い絵を描いたり、布を切り貼りしたり縫ったりして
その時の気持ちの趣くままの制作・・
子供も小さかったし、銅版画にも興味はありましたが、環境が無かったわけです。
そういうわけで、銅版画をはじめて、やっと20年がたちました。
*自分にとっての銅版画の魅力
1、コピーではなくて、オリジナル作品が何枚もできる。
よって、同じ絵を、複数の方に所有していただける。
2、水彩、油彩、岩絵の具、鉛筆画など、ひととおりやって来た中で、
銅版画は独特の質感を持つのだが、特に黒インクの濃淡の諧調の美しさがたまらない。
しかも、多様な質感表現を伴った濃淡表現が出来るところがいい。
銅版画の黒は、紙に定着させた漆黒の黒を表わすことが出来、吸い込まれそうな質感。
どの部分を、どの質感で、どの技法で表すのかを、考えて実行する面白さ。
3、色版の場合は、多版を使うのだが、これも下地と上に重ねる色を
考えながら、微調整するのがが好きである。
4、技法が多様
5、職人的な作業も好きなほうである。
6、銅を、ニードルでひっかく感触が、心地よい緊張感だ。
*好きでない部分
1、作品にもよるが、完成まで時間が掛かりがちである。
2、時に、力のいる作業が必要で、面倒に思うことがある。
いつもではないのだが・・・(苦笑)
3、汚れたり、腐蝕液やプレス機のメンテナンスなど、面倒なこともある。
4、完成した銅版の保管
(油絵なども同様だが・・・)
*まとめ
面倒なことが何かと多いのですが、それでも銅版画をするのは、
完成した作品が 他の手段では得ることが出来ない
魅力あふれるものだからだと思います。
また、得てして技法におぼれて中身のない絵にならないよう
自分自身の主題(伝えたいこと)をしっかり見つめて
制作を進めるよう心がけねばなりません。
自戒もふくめて・・
3、