銅版画のテーマとは離れますが・・
これは先日、版画工房のメンバーTさんが、持参された
豪華なヴュイヤールの画集です。
ヤフオクで破格のお値段で、落札されたそうです。
画集の厚みが6センチもありました。
Tさんいわく、ヴュイヤールの絵の落ち着いた色調や、
日常の身近な題材を描くこと、
ゆるーい筆のタッチと全体感などが、
お気に入りなのだそう・・
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/03/hyushi-222x300.jpg?resize=350%2C473)
今、ちょうど三菱一号館美術館でナビ派展が、
開催中のようですね。
ヴュイヤールは、ナビ派の一員でした。
画集を見せてもらいながら、美しい抽象画の構成作品を
見ている感覚になりました。
ナビ派について、少しだけ調べてみることに・・
ナビ派は、19世紀末のパリで活躍した、前衛的な芸術家の集団。
「ナビ」は、預言者を意味するそうです。
特徴は、自然の光を画面上にとらえようとする印象派に反対し、
画面それ自体の秩序を追及している、とのこと。
ドニは、次の言葉を残しています。
「絵画作品とは、裸婦とか、戦場の馬とか、
その他何らかの逸話的なものである前に、
本質的に、ある一定の秩序のもとに
集められた色彩によって覆われた平坦な
表面である。」
洗練された画面感覚とでもいえましょうか・・
現代の美術史の流れに、とても影響を与えています。
ナビ派の代表作家は、ボナール、ドニ、セリュジュ、ランソン、
ヴォラール、メレリオ等・・・
ナビ派は、浮世絵の影響を、受けていたそう。
なるほど、画集を見ていて、所々にそれを感じました。
画面上で、抜くところと描きこむところが
絶妙だと思います。
平面性と装飾性は、日本の浮世絵版画に通じていますし・・
そういえば、ゴッホも一時期、浮世絵に影響された作品を描いて
いましたね。
ヴュイヤールの画集から、いくつかピックアップさせてもらいますね。
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/03/nabi2-300x230.jpg?resize=400%2C306)
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/03/nabi3-214x300.jpg?resize=350%2C491)
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/03/nabi5-233x300.jpg?resize=350%2C451)
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/03/nabi4-300x240.jpg?resize=350%2C280)
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/03/nabi1-246x300.jpg?resize=350%2C427)
題名等は省略させていただきました。
ヴュイヤールの作風は、その後晩年になるにつれて、
対象をより写実的に描くように変わっていきました。
どのような、心境の変化があったのでしょうか・・