多版銅版画の楽しみ


ここのところ、2版使って1つの作品にする銅版画を作っている。
もとはといえば、吉祥寺にあった画廊で偶然に見かけたカラーエッチングに衝撃を受け、
あこがれて、22年前に銅版画を始めたのだ。
モノクロの作品もずいぶん作り、今も作っている最中だけど、
時々、色版が無性にしたくなる。
銅版画作家の人を見まわしても、だいたいモノクロかカラーか、どちらかになる人が多いように思うが、
私は何でもやりたがりな性分で、統一感がない。

銅版画の魅力・・・
油絵のようにねちっこくもなく、水彩のように儚くもない。
銅版画の色版は、プレス機の圧力で紙に油性インクが
ピタッと吸い付きしみ込むので、カラフルな色を使ってもギトギトしていない。
そんなところが好き♪

画像は、色版にするための版で、長い間腐蝕したので、深堀になっている。
いわゆるディープエッチング。
深堀にすると、摺りのバリエーションがとても広がり、いろいろなインクの乗せ方ができるから
マイブームなのだ。
凸版でも凹版でも、ヘイター摺りでも、その他にも諸々の工夫が可能だ。
銅版は、レリーフなのだから・・

それにしても、背景が赤系の絵柄の場合、その他の色選びを間違えると、とんでもなくなる。
それに振り回された1日だったけど、何とか完成し、4枚摺った。