カラーエッチングの制作、途中経過をご説明します。
あくまで、私個人の作り方なので、何かの参考になればと思い、書いてみます。
今回は、ヘイター技法を使わないで、3版を作り重ねて、一つの作品を作ることに・・
最初は、濃紺の主版からエッチング。
ある程度、外形線がわかるぐらい線描し、腐蝕。
そして、他の2版にプレス機を使い転写します。
その後、主版にメゾチントの目立てに使うベルソーで少しトーンをかけてみました。
これは、今回初めての試み♪
作品に大きな影響はないかもしれないけれど、ちょっとやってみたかったから・・
主版以外の色版を丹念に作ります。
ぼかした調子にしたいので、黒ニスと筆を使い微妙なグラデーションを入れて絵を描くように銅版に向かいます。
実際に絵が見えるわけではないので、あくまで出来上がりを想像しながらの作業。
これは、間接技法的な銅版画ならではの特徴ではないでしょうか・・
黄土色とピンクの割合、匙加減をイメージしながら作ります。
主版の濃紺に、アクワチントを施して、試し摺り。
これで、7割ぐらいできたのだと思います。
ここから、描きこむ部分と、トーンの調整をする予定です。
このように、1つのカラーエッチングを仕上げる場合、10枚前後ぐらいの試し刷りをします。
銅版画での多版カラー刷りは、他の版種リトグラフやシルクスクリーンなどにくらべ、面倒な作業が多いです。
しかし、銅版画のカラー刷りは、他の版種にない魅力もあります。