制作風景から

銅版画の技法に、アクアチントというのがあります。
銅版に、松脂の粉末を振りかけ、熱で付着させた銅版を腐食液に浸けると、面で様々なグレートーンができます。
水彩画のような、マチエールが得られます。
松脂を銅版に振りかけている様子です。

その後、このように電熱器で温めます。

Oさん制作中・・・
花や、人物をモチーフにされることが多いです。


Kさんが、メゾチントの版を、ドライポイントで加筆しているところです。
黒さが足りないところを、ニードルで引っ掻いているのです。
メゾチントもドライポイントも、腐蝕に頼らない直刻法なので、相性がいい。

高尾も、目立てをしてみました。
鉛筆で目安の線を引いておくと、楽です。
10年以上前に、メゾチントばかりで制作していた時期以来!
小さい版なので、半日で目立て作業が出来てしまいました。
当工房には、メゾチント原版製作機も鎮座しているのですが、自分で目立てるとそれだけで愛着が出てきます。
銅版画は、技法によって、個性的なマチエールの変化を作り出せるのが魅力ではないでしょうか。