「一角獣」 油彩 1885年
昨日、モロー展とクリムト展を観てきました。
モロー展は点数が思ったより少なくて、ちょっとがっかり。
この写真の油絵、有名だけど、実物を観るのは初めてで、
すごーく良かったです。
絵に惹きこまれるというか、ぱーっと、光の世界に吸い込まれるというか、
半端ない魅力を感じました。
観ているだけで、幸せな気持ちで心が満たされるというか・・・
ずっとずっと、見つめていたい、そんな絵です。
一角獣は、神話上の獰猛な生き物で、心が清らかな人、
処女には従順だと、キャプションにありました。
マチエールの美しさ、薄塗りで重ねて、絵の具の使い方がなんともステキ♪
細い筆で装飾模様をち密に描いている部分や、肌の柔らかな質感や、絵の具のかすれ具合等・・
いいなあ~
これは、実物を観ないと、感じられない感覚だと思います。
マチエールは、画家の息づかいなんだと・・
そういえば、モローの画集を持っているのですが、
モローは、地塗りをとてもこだわっていて、随分下地を試行錯誤していたと
描いてありました。
今回のモロー展の作品も、また以前に画集で見た作品も、
描き途中のような絵がたくさんあります。
お母さんが大好きで、マザコンだったと思われます。
お母さんの肖像を沢山描いています。
生涯独身だったけど、1人だけ特別な女性がいて、部屋を与えて住まわせたそう・・
また、モローは、マチスとルオーを育てた先生でもありました。
「女の三世代」1905年
クリムト展は、連休中のこともあり、混んでいました。
混んでいたので、観たい作品だけを、ピンポイントで鑑賞♪
この絵も有名だけど、実物は初めて観ました。
美と醜が同時に描かれているのが、しみじみと真実だなあ・・・、と思いながら
観たのですが、思ったより大きな絵でした。
ベートーベン第9のために描いた、たくさんの壁画は、間の使い方が抜群で、完ぺき!脱帽!
クリムトには、13人の子供がいたらしいけど、その一人が生後半年だったか?で
亡くなって、その鉛筆画がありました。
とても誠実に描写された、可愛らしいけど目を閉じた青白い赤ちゃんの死に顔に、
クリムトの深い愛情と悲しみが伝わってきて、ちょっとジーンとしました。
前に、クリムトの映画もみたことがあって、
綺麗な複数のヌードモデルを一度にアトリエに入れて
、絵を描くシーンが印象的でした。
金箔を部屋中にまき散らすシーンもあったっけ・・
モデルとの間にも子供を作ったりと、お金持ちで、相当のプレイボーイだったみたいです。
だからこそ、あのような絵を残せたわけですね。
クリムトにかかわらず、
たとえ変な癖があろうと、偏っていようと、好きなものを追及することが
魅力ある絵を描く秘訣だと・・
そんなことも確認いたしました(笑)