![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/04/P1013157-21-250x300.jpg?resize=350%2C419)
世界版画史の本をながめていたら、気になる版画家がいたので
もっと作品を知りたくなりました。
それで、通販で中古の安い画集を手に入れたのだけど、それがこの洋書。
(TASCHEN 編集社Cologne・ドイツ)
2000円にしては、内容が濃い。
ピラネージは、18世紀イタリアの版画家。
石工の息子として生まれ、建築家の叔父のもとで透視図法と舞台装飾を学んだのだそう。
建築家を自称していたそうだけど、実現した建物は僅かで、
実際は版画家、考古学者としての実績の方がはるかに大きい人だった。
廃墟画家とも呼ばれていました。
銅版画は1000点以上残したそうで、すごいですね・・
吹き出るように描いたのでしょう。
脱帽です。
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/04/P1013161-22-225x300.jpg?resize=350%2C466)
これは、「牢獄」シリーズの中の一枚。
「牢獄」は、16パターンの図柄があります。
実際に、牢獄などを見たわけではなく、想像で描いたらしい・・
荒々しくも、伸び伸びした描線が魅力です。
細かいけど、神経質にならず、ガンガン気持ち良く描いている。
![](https://i0.wp.com/crea-douhanga.info/wp-content/uploads/2017/04/P1013163-23-300x234.jpg?resize=350%2C273)
購入した画集には、沢山の銅版画の写真が載っていて、見ごたえたっぷり!
考古学者として、ローマの古い遺跡を調査研究していたピラネージ。
ただ冷静に見て描くだけではない、遺跡への愛着、尋常ではない執着というか、
思いの深さみたいなものが、版画のディテールあちらこちらに、表れていると思います。
当時は、廃墟ブームでもあったそうで、ピらネージュの版画は、
人気があったそうですよ。絵葉書も良く売れたそう。
最近も廃墟ブームで、写真集とか見かけますが、昔にもそういうブームあったのですね。
古い建物と同時に、人間や牛などの動物も描かれているものがあり、
人間味も感じられて、親しみがある。
朽ちてゆく建物と、植物の共存の様子も、切なくも美しい。
風化して、徐々に壊れゆく物の美といいますか・・
以前に、国立西洋美術館で展覧会が催されたようですが、
是非実物を、まとめて観たいものです。
生きている間に観れるかな?